2019年によく聞いた曲ピックアップ(1/2) - アルバム編
2017年に韓国カルチャーにどぷんとつかってから早3年。毎年よく聞いた曲ピックアップをしはじめて3回目になりました。あっという間だな。もはやK−POPばっかりではなくなってしまったので「K-POP○年生」の冠は今回からとってしまった。
2019年にいいねした曲はTwitterにスクショを乗せ、 #ねぇさんpick2019 のタグと共にずっと記録をつけ続けてきました*1。雑にではあるけどそれなりの量を聞いたし、個人的にアルバムの収録曲でこれ好き!率が高かったものはアルバム単位でいいねしたりもしたんだよな。その、いいねした曲を大晦日と元旦にざっと聞き直していたんですけど、印象深かった曲はちゃんと覚えてるのに、その場でいいなと思っただけだった曲は全然覚えてないの面白かった…。最終的にまとめに書くぞ、と決めたものはトリッキーな曲やジャズ/ハウスっぽいもの・私にとって新鮮な音作りをしてるもの・そして例年通り絵が脳裏に浮かびやすいものなんかがピックされ、私の好みが可視化されたな…となりました。
さっきも書いた通り、アルバム丸ごと良い!となったものもあるので、せっかくだし今年は曲単位とは別にアルバム単位でもメモに残そうかなと。音楽的な話は適当にしかできないので、とにかくずっと私が感じた事の例え話が続きます。あしからず。アルバム編→曲ごと編の順番で早速やっていくぞ。
※いいねした曲の全曲リストはMelonに置いてあるので、見れる人がいたらどうぞ。
<アルバムピックアップ>
好き!!となる曲が多かったり、全体を通して何度も聞いたものを時系列順に。全部で12枚あります。
Block B - BASTARZ 「I'm a mess.」
ブロビ=治安悪い、という安直なイメージしか持ってない私、BASTARZも治安悪いんだろうなぁと思いながら聞いたMessed Upで泡を拭いてしまった。雑踏で火をつけるタバコ、孤独なサックスとピアノ…おとな…!イントロの位置付けであるこの曲から続くHelp Meが見事なほど上品でおしゃれ。上品でおしゃれなんだけど、時折入る吐き捨てるように歌うフレーズを聴く度に「やはり今でも圧倒的に喧嘩が強い…足技がピカイチだ…」という妄言が脳裏をかすめるのだった*2。
블락비 바스타즈(Block B BASTARZ) - 'Help Me' Official MV
前作のMVも見たんですけど、Make It Rainの遠慮ない治安の悪さを見ていると、その妄言もあながち間違いではなさそうだなとなるんだよな…あれから時間が経ち今は足を洗ったが…みたいな…(?)。Make It Rain、Deanが作っていてマジでという驚きがあった。
블락비 바스타즈(Block B BASTARZ) - Make It Rain Official Music Video
それはさておき全体的にメロウなのも良く、Easyでその雰囲気を強くし一区切りついた後のソロ曲もスッと入ってくる並びになっているのも、アルバム構成として💯だった。先にLet's Rideが来ていたらループして聞いていたかわからない…曲の並び大事。Ja MezzがそのLet's Rideの、PunchnelloがRecognize*3の客演をしていて、既に盤石な土台をいっそう強くしているのも良かったな。イントロにあたる曲以外はほぼ自分達で作っていて(すごい)、当時の私のTLで「こういうのやりたかったんだなぁ…やれて良かった…😭」となってる人を見かけた記憶があり、良い話…となったのだった。
最後にコンセプト写真やアートワークも見てほしい、完全に解釈が一致する薔薇*4の使い方で清々しい。何もかもがバチっとはまっていて本当に本っ当に気持ちが良かった!
Fisherman 「Well Being」
これ、IDMというジャンル*5にカテゴライズされるようだとえりかさんのツイートで知った。収録曲のうち人の声が入るのは2曲だけなんだけど、それも含めてトラックがめちゃくちゃ美しく、あんぐりしたまま聞き続けていた。私は二曲目のSilkが好きなんだけど、まずは聞いてほしい。↓の1:00あたり。
[Full Album] Fisherman - Well Being / 앨범 전곡 듣기
精神と時の部屋みたいな一面真っ白な部屋に放り込まれたと思ったら、ガラスのようなタイルがバラバラとこぼれて視界が抜けて流氷が現れ、「…?!」となって振り返ったらその流氷の上を巨大な鯨が飛んでる、みたいに聞こえないですかね…*6。他、CellやRiftなんかもダイヤモンドダストを捕まえてギュッと結晶にしたような音密度の曲ばかりで、いたく感動してしまった。
その昔、歌やラップなしの5曲合計1時間のアルバム*7を嬉々として聞いていた時の感覚が呼び起こされた感じがした。韓国にもこういう曲作る人がいるんだ…と知れたことの嬉しさがあったなー。
ちなみに歌やラップが入っている2曲のうちの1曲、MicroscopeにはGiriboyが客演しています。ギリくんのソフトなラップの高浸透率がめちゃくちゃ気持ちいい。これを書いてるのは1月2日の午前中なのですが、今日みたいな天気の良い冬の日に聞くのがぴったりだなぁ。
ギリくんの客演、WYBHってクルーのクルーメイト同士の縁って事なんですかね。WYBH、Fisherman以外だとCosmic boyやIOAH、あと2019年の途中から、Penomecoの良き理解者でありプロデューサーのAproさんも参加したようで、個性的なメンバーが揃ってて面白いクルーだなーと思います。今年はまとめてお目にかかれるチャンスがあるといいなー。
SUMIN 「OO DA DA」
https://music.apple.com/jp/album/oo-da-da-ep/1473217171?at=10l8JW&ct=hatenablog
SUMINちゃんがクレジットに登場するとどんなトリッキーなトラックがくるのか期待してしまう癖がついてるのだけど、このアルバムでその気持ちをより強くした。時間を止めると奇妙な形をした音が不規則に宙に浮いてるのが見える、みたいな印象で、この編曲の感性をどうやって育てたのかめちゃくちゃ関心があるんだよな…。
アルバムの曲をどれかピックアップして話すのもはばかられるくらい、全部の曲がどれも様子がおかしい(ほめてる)ので、まとめて聞いてくれとしか言えない…。収録曲をちょっとずつMVに落とし込んだ映像があるんだけど、一つに絞ることができないアルバムのイメージがそのまま可視化されていてカオスで良いのでみてほしい。耳から脳みそをハックされているようだし、ずっとパルプンテをくらっているような気持ちになる。
[MV] SUMIN (수민) - [OO DA DA] EP / Official Music Video
収録曲のうち一曲だけbalming tigerからOmega Sapienを客演に迎えている曲があるんですけど、浮くことなくなじんでいてそれもすごい。「なじめるんだ…」って声に出たもんな…視聴だとOmega Sapienパートにたどり着かないので音源でなじんでる様を確認してほしい…
https://music.apple.com/jp/album/pocket-feat-omega-sapien/1473217171?i=1473217176&at=10l8JW&ct=hatenablog
2019年はSUMINちゃんのライブを見る機会が2回?ほどあったのだけど、すごく小柄なのにあのきれいな声がまっすぐ飛んでくるのすげぇ、となった。トラックがトリッキーなのに声はめちゃくちゃきれいなところのバランスよ、面白いなぁホント。
KIRIN 「YUNU IN THE HOUSE」
四つ打ち三昧だ最高!!!絶対にクラブで聞きたい!!!となったアルバム。アルバム名にYUNUとあるように、KIRIN名義だけど全曲にレーベルメイトのYUNUがプロデューサーとして入っていて、IN THE HOUSEってだけあって収録曲が全部ハウス…泣ける…出会えてよかった…😭客演の選び方も良くて、軽快なトラックに対してのsogummやyouraっていう湿度の塊みたいな声の人を当ててくるセンスよ。好きです。
youraが客演しているYay Yay YayはMVがあるので貼っておきます。レトロで良き。
KIRIN - YAY YAY YAY feat. 유라(youra) (Official MV)
私はこのアルバムがきっかけで8balltownを知るのだけど、8balltownのインスタストーリーでこの動画に出会ってしまい、もう絶対に!!絶対にJason Lee生でみる!!!😭😭😭と心に誓うのだった。
この曲、アルバムに収録されている曲であってるよね…そうでなくてもめちゃくちゃかっこいいので聞いて…。Jason Leeと8balltown、最終的に2019年のクリスマスイブに弘大のクラブ(MODECi)で開催された、自身主催のイベントにて生パフォーマンスを目撃することができ、まじで幸せだった😭
2019年は8balltownからのリリースがたくさんあったんです。秋先にリリースされたレーベル名義でのSlow Stepってアルバムもとても良かったし、BronzeのEast Shoreも良きシティーポップだった(アートワークに永井博のイラストを採用する徹底ぶり)。本当にピックアップするのに困る。せっかくなのでEast Shoreで好きなやつ貼っとくので聞いて…ELO氏の声、こういう曲にも合うのすばらしいなぁ。
Bronze - Bubble with ELO, SUMIN
GroovyRoom&Leellamarz 「ROOM SERVICE」
リード曲のRoom Serviceがとにかく、とにかく良いのです。ホテルのラウンジでチェックインしてる様子だったり、屋外が見えるエレベーターでスイートルームに向かっている絵だったりがいくつもフラッシュバックする。Leellamarzの声はちょっとしゃがれているのだけど、特徴のある声だからこそものすごく絵が膨らむんだよな。直前にひどく振られて1人でチェックインしてるようにも、ものすごい美人と一緒にチェックインしてるようにも、孤独を抱えつつ古巣に1人で帰郷しているようにも、いかようにも聞こえてすごく面白い。
アルバムの入り口の曲でこれなので、続く曲への期待値がぐんぐん上がるのだけど安心して良い。これを受けての2曲目、City Lifeでも聞く側の想像をバーーーンと広げてくれるので本当に最高。MVがあるので貼っておきます。
도시 생활 (City Life) Official Video - GROOVYROOM X LEELLAMARZ
今回の記事で度々登場するyouraを客演に迎えたColorも、映写機を回してレトロ映画のワンシーンを見ているかのような空気感で、'ROOM SERVICE'っていうアルバムだからこそのシチュエーションの映像が頭にどんどん生まれていくんですよね…たまらんなまじで。一方でJay Parkを客演に迎えたKick thatのような太めの曲もあって、映画さながらの曲並びが本当に素晴らしいなとなる。
Kick thatはVisual Filmなるものがあるのでそれを。
'Kick that' Visual Film (Feat. Jay Park) - GROOVYROOM X LEELLAMARZ
とてもお気に入りのアルバムなので、友達にお願いしてフィジカルアルバムを買ってきてもらいまして。ベルベット地のハードカバーで、本当にルームサービスのメニューみたいな作りになっており「行き届いてんなぁー!」となったのでした。
ちなみに(まだ書く)、このアルバム、ミーティングやレコーディングの様子がVLOGとしてGroovyroomのYoutubeチャンネルに掲載されています。トラックができてくの素直に超おもしろい。↓では4:25あたりからColorのトラックメイキングが、他のVLOGではViolinist Freestyleって曲でLeellamarzがバイオリン弾いてる様子や*8他の曲のレコーディングの様子も見ることができるので時間がある時にぜひ。
dress&SOGUMM 「Not my fault」
この2人のタッグ、というだけでヤバいアルバムが来るぞ…となっていたのだけど、本当にヤバい。音選び転調サンプリング…とにかく癖が強いトラックに、水銀の中を泳いでいるような特濃声の応酬で、特に冒頭の2曲は息をすることも許されない。古びたグリム童話から悪夢がウワーーーっと出てきたみたいなすごさで、なんか、夢に出てきそう。ちょっとDreamer,Doer聞いてみてほしい。
[MV] dress & sogumm - Dreamer, Doer
あんぐりしていたら3曲目のI Wonderで呪いを解くようなゴールドシャワーを浴びせられるのだが、この時点で感情が忙しいくて本当に困る。これJay Parkが客演しているのだけど、歌うと甘い社長の声によって煌き増し増し。終盤に突然転調する展開もおもしろいので、ぜひ最後の最後まで聴いてみてほしいなぁ。
[MV] dress & sogumm - 궁금해 (Feat.박재범)
そのI Wonderと並んでタイトル曲になっているのがPenomecoが客演しているHoney Beeなんですけど、個人的には今年のPenomeco客演曲の中でもMVPにするかどうかな出来で最高だった。I WonderがゴールドシャワーならHoney Beeはフラワーシャワーって感じ。もしかしてGarden*9を受けてのHoney Beeってタイトルなの…?とすら思いたくなる'香る曲'に仕上がっていて感動する。是非イントロから聴いて…イヤホンからはちみつの香りがするから…!
そんな🐝の後に続くMoonlightではG線上のアリアがサンプリングされていて「癖が強い!!!」と叫んでしまった。ただ、穏やかな曲展開はこの辺りまでで、bridgeとなる曲を挟んでまた悪夢のグリム童話に戻っていく運びとなり、更にはMokyoを客演に迎えたDearでどうしようもなく混沌としてしまい、最後にPretty Bitchで締める、という…。えっアルバム名の'Not my fault'ってそういうこと?!ってなった(多分そういうことじゃないとおもう)。
友達が何かの折に教えてくれたんですけど、dress、元々YGのブラックレーベル出身だそうで。なるほどこのプロデュース力はそこから…!と納得感を強めた。
待ってdress先生って元々the black label所属のプロデューサーだったの??今知った
— まの🥤@自主隔離中 (@MANO_MIDORI) 2019年10月2日
[SS디깅②]'Not my fault' 드레스X소금, 둘의 만남은 잘못이 아니다(인터뷰) (출처 : 스포츠서울 | 네이버 TV연예) https://t.co/7uPr2XTyTs
sogummはこの後自身のみの名義でもう一作品リリースするのだけど、私はdress&sogummのコンビが好きなんだよなぁ…。ねっとり濃い仕上がりになるので好みが分かれそうではあるけれど、引っ掛かりのある曲が好きな人は間違いなくはまる組み合わせだと思うので、気になる人は掘ると良いと思います。
Jerry.K 「RED QUEEN THEORY」
私がアルバムごといいねをしたものは一曲目を絶対に外さないんだな…。このアルバムも然り、掴み1秒でこれは絶対に好きなやつだ…となった。強めのウイスキーを煽りたくなるかっこよさなので、CLICHEのタイトさに痺れた人は他の曲も絶対に裏切らないので全部聞いてほしい。I Want Yaなんて西部劇の早撃ちの劇伴に使われていそうな渋さだし、Nice Vibeだって酒場の樽をテーブルにして「お前にとってのナイスバイブスはなんだ?おれの場合はな…」って談笑するシーンじゃんとなるし(談笑するかは別として実際にそういう歌詞でもある)、なんかそういう映画に見えてくる。Full Lyric Videoがあるので貼っときますね。CLICHEのイントロちょうかっこいいのでど頭から聞いてほしい。
JERRY.K - RED QUEEN THEORY EP (Full Lyric Video)
でもそれ一辺倒じゃなくて、この間に並ぶ2曲が今って感じの雰囲気なんだよな。それが概ね交互に登場する曲並びになっていて、だからなのか、一周をスッと聞けちゃう。CLICHEの後にParadeが来る展開が私はすごく好き。Paradeには'we walk this city ◯◯'ってフレーズが繰り返し出てくるんだけど、早歩きする位のテンポなので、聞きながら歩くと気持ち良いよ!
Jerry.Kは2018年の後半に2回ライブを見ていて(しかもどっちも@東京)、どっちもかっこよかったんだよな。Apple MusicによるJerry.Kの紹介によれば彼の良さの一つは歌詞だということなので、私は今年こそちゃんと韓国語を勉強することにします…
Panda Gomm 「sleeptalking」
https://music.apple.com/jp/album/sleeptalking/1483897668?at=10l8JW&ct=hatenablog
なんつー幅の広さだよ!!となるくらい、曲のバリエーションが豊富で噛み応えのあるアルバムだった。インスト曲以外は全部客演が入っているのだけど、名だたるメンツが並んでいてそっちのバリエーションも豊富。
Strawberry MilkからRomanceまでの4曲は穏やかだったり軽快だったりと、陽の印象を受ける曲が続く。Friendsでは東洋の香りがするバイオリンの音がしたり*10、Romanceもコントラバスの低音とテンポの良いトラックが気持ち良い。
[Panda Gomm] Friends (Feat. Leellamarz, CHANGMO) Lyrics Video
https://music.apple.com/jp/album/romance-feat-jeebanoff-b-jyun/1483897668?i=1483897673&at=10l8JW&ct=hatenablog
気持ち良いんだけど、Bartenderって曲を挟んで別のアルバムのような曲が次々に現れる。なんだなんだ、バーで何かあったのか…?と思いながら聞いたAmericanoって曲がすごい。さっきまでいちごミルクが云々とかロマンスがどうのって言ってたじゃん!?甘さどこいった?!ってなるようなどぎつい苦さ。
https://music.apple.com/jp/album/americano-feat-leellamarz-ash-island-owen-ovadoz-spray/1483897668?i=1483897675&at=10l8JW&ct=hatenablog
Hash SwanとVINXENが客演してるPray Emojiも冒頭からラップの応酬で、すごみのへしゅからの怒りのビョンジェって感じの強い展開がかっこいい。かっこいいんだけど、やはり前半の流れを踏まえて聞いているとクソって思うことでもあったのか?!ってなる。
https://music.apple.com/jp/album/pray-emoji-feat-hash-swan-vinxen/1483897668?i=1483897796&at=10l8JW&ct=hatenablog
この曲の後に、孤独…!って感じのBetter Man、悟りを開いたのかな…となるTill We Get Lostを経てLullabyで締まるのだけど、この記事を書きながらPanda Gommのインスタを見ていたらアルバムティザーにあたる連投を見つけたの。あーーなるほどとなる内容だったので、曲聞く前に見てほしい。
https://www.instagram.com/p/B5dB-CRJ9Gk/?igshid=10pfe3gqqr2hb
これがなんと全曲分あるんだけど、Bartenderはやっぱり前半後半のブリッジにあたる曲なんだなぁ…と理解を深めた。そして諸々の曲を一つのアルバムにした時の冠として「Sleeptalking」と名付けるセンスよ。ほんと、おもしろいアルバムだったなぁ。
Samuel Seo「The Misfit」
「すごいトラック数のアルバムを準備している」と本人が話していたように、たっぷり15曲(LPだと+3曲)も収録されていた。これは聞くのにエネルギーがいるぞ…となったのだけど、聞く曲聞く曲みんな良くてあっという間に聴き終わってしまった。どんなアルバムだったかは当時の私のツイートに集約されているのでこれを見て…
どんな要素がそうさせているのかまだ言語化できていないんだけど、アフリカのサバンナを彷彿とさせるんだよな。ツイートでも書いているように、大地の鼓動が聞こえる…!みたいな印象だった。でも別にエネルギーの塊みたいな曲ばっかりじゃなくて、例えばSomething & Nothingは情景として灯りのない夜の静かさが浮かぶし、
playaplayaplayaは夕暮れに凪いだ海をぼぉっと眺めている時の気持ちにも似てる。
서사무엘 (Samuel Seo) - Playaplayaplaya (Samuel ver.)
どの曲もこんなふうに、どことなく自然に繋がるビジュアルが生成されるので、先のツイート(ナショナルジオグラフィックさんははよタイアップして)になったんだよね…。中でも「これはアフリカの夕暮れ…!大きなオレンジの夕焼けを背にキリンが悠々と歩き象は大きく耳を羽ばたかせている…!」となったのがNotting hill。地球のグルーヴってこういう感じだよなぁー。
ソサムエル、2019年9月に渋谷でライブやってくれたんですよ。生バンド入れててすごく良くてさ。その後に出たアルバムも良かったからこれはアルバムリリース後のソウル単独公演だって間違いなく良いじゃん…なんでおれは行けない…と枕を濡らしていた。一曲だけライブ動画公式から出てるので置いておきますね…行けばよかったなぁ…。
[LIVE] 서사무엘 (Samuel Seo) - 'YI YU' (2019 단독공연 THE MISFITS)
ELO&Penomeco 「ODD」
2019年4月のPenomeco単独公演でゲストにELO氏がやってきて、MCでこのプロジェクトの事に触れてから7ヶ月…待った!我々は待ったぞ…!待っててよかった…!(´;ω;`)
これ、4月の時点で収録曲のうちBODYを先に披露してくれていたんですけど、ELO氏は言わずもがな、Penomecoってラッパーなのかシンガーなのかどっちなんだっけ?となったんですよね…いや、どっちでも良くない?ラップにも歌にもむちゃくちゃ表情があってすごい。当時はMovieの初披露もあったので余計にそう思った記憶があるなぁ*11。
しかもそれがBODYに限った話だけではなく、このアルバムに収録されている他の曲においてもそうなので本当にびっくりする。2019年のPenomeco、声帯結節を患っていたにも関わらずスキル確変ぷりがすさまじく*12、そんな中でのこれよ。いやーーーホント、すごいアルバムが出来てしまったよ。
これね、曲名から彷彿とさせる内容が素直に歌詞に表れているので、その内容を踏まえてLOVE?→BODY→DEEP→VIEWの順に聞いてほしいんですけど、ELO氏とPenomecoの言葉選びの違いに個性を感じてとても味わい深いんですよね…'君は僕の秘密'とPenomecoが言い、'ワンナイトじゃないから'とELO氏が言うっていうね…。もちろんこれ以外にも印象的な歌詞はたくさんあるんですけど、この界隈の話をよくする友達とも「それぞれがこの言葉選びをすることにすごく納得感がある」と話していて、オタクの観察眼の精度の高さを実感したりもした。オタクすごい(すごい)。ちなみに私はVIEWにおけるELO氏の、直球のこの歌詞にすごく気持ちが上がっていた。
歌詞まで読み解かずとも、それぞれのシチュエーションがしっかり脳裏に浮かぶ仕上がりなのもすばらしいんですよ。ホント、大変なアルバムができてしまった。LOVE?はMVもあるのでみてね。
PENOMECO 페노메코 X ELO 엘로 'LOVE? (Feat. GRAY 그레이)' MV
このアルバム、当初は夏にでる予定だったんですよね。でも個人的には結果的に11月のリリースでよかったのでは?と思っている。リリース当時、BODYを久しぶりに聞いた私は「BODYも印象全然違う、今の時期にバチッとはまるスウィートさ、ホットミルクティーシナモン乗せって感じ。最後ミルクフォームがしゅわっと消えてく」と言っていて、聞く時期によって曲の印象がかわるの面白いなーとなっていました。是非冬のうちにたくさん聞いてほしい!
ZICO 「THINKING Part.2」
友達がこのアルバムのサイン会に行っていて、「眠れない夜に聞きたい曲は?」のポイに対してニヤッと笑って「Balloon」と書いてもらった、という話を聞いたんですよね。何となくその話がずっと頭に残っていて、しばらくしてからこのアルバムを聞いて、「眠れない夜に聞きたい曲(というかアルバム)、確かに」と思った。言葉選びが適切ではないのを承知で言うんですけど、なんだか懺悔を聞いているような気持ちになるの。それは一番最後の曲による印象が強いせいでもあるんだけど、一曲目のAnother Levelをのぞいて他の曲全部、自分の隣に自分を置いて対話しているようでさ、すごく孤独を感じてしまった。言えなかった本音をぽつりぽつりと絞り出しているような、眠れない時にそんな風に考えを深く深くしていって気付いたらストンと眠りについているような、そんな感じ。実際に製作過程ではインプットを断って自分と向き合う作業だったそうなので、滲み出てるなぁと思った。
'深く深く'と言った通り、Another Levelだけ様子がおかしいぞってくらい、Being LeftからDystopia、そこからさらにBallonに向かって深度がズドンと落ちるのがすごい。Dystopiaの重力がちょっと異常だな…
Ballon、Dystopiaに比べれば仕上がりこそ軽めだけど、決して落ちた深度から引き上げるタイプの曲ではないので瞑想を深くする。MVの描写、アニメだけどかなりはっきりしているので余計に思考が中に中に向くよなぁ。
지코 (ZICO) - Balloon Official Music Video
はじめはこの流れの中に唐突に置かれている感があったanother levelなんだけだど、孤独が続く後続の曲の始まりにこれが置かれることはつまりそういうことだよな、となり、あぁーーーっとなった。2019年はこの2人のやりとりを見ては何度もあぁーーーっとなっていたな…。
Being LeftではKOZエンタ2人目のアーティストDvwnくんが客演を務めているんですけど、めちゃくちゃ良い声なので聞いてほしい。ZICOの声は土っつうか地面というか大地とかそんなイメージなんだけど、Dvwnくんの声は雪とか霧とか霞とか、なんか、雨冠がつくんだよなぁ。あんまり思いつかない、雨冠の声。
지코 (ZICO) - 남겨짐에 대해 (Feat. 다운) Official Music Video
2020年はFANXY CHILDメンバーのほとんどが兵役に行ってしまう年なので、今年の最優先案件として、後悔のないように追っていこうと思います。
Golden 「Hate Everything」
https://music.apple.com/jp/album/hate-everything-ep/1491103023?at=10l8JW&ct=hatenablog
兵役を終え、2019年秋頃から音楽活動を再開したG.Soul改めGolden、年末のフェスでライブを見ることが出来たんですけど、圧倒的美声に鳥肌が止まらなかった。12月にリリースされたこのアルバムの曲を中心に歌ってくれたんですけど、ウワーーーーーーっとなってしまって「う、うたがうまい😭」っていう子供みたいな感想しか絞り出せなかったな…だって本当にうたがうまい…😭
しっとり聞かせる系の曲、私は割とスルーしてしまいがちなんですけど、このアルバムだけはこの1ヶ月の間にすり切れるほど聞いた。時期的にホリデーアルバムが多くなる中、群を抜く煌めきを放っているのに、Hate Everythingって冠を被せたところもめちゃくちゃ好きです。ほとんどピアノ一本の超シンプルな演奏なので、声の良さが本当にほんっとうに際立つなぁ。
なんかさ、大事なパートナーと喧嘩別れした後、本当はディナーする予定だったホテルのラウンジに寄ってみるとさ、家族連れがプレゼント抱えていたり、デートの待ち合わせをしてる人達がいたりするわけよ。なんで私は…と思っていたら、今日はホリデーだからってことでいつも飾ってあるピアノを弾いて歌いはじめる人がいるのね。しかもこんな日なのにHate everythingって歌ってるんだよね。なんだろう、この人も私と同じ…?って思って、通り過ぎてく人にぶつかられながらもぼぉっと立ったまま最後まで聞いてたら、最後にちょっと目があって小さくペコってお辞儀される世界じゃないです????そのあとたまたま家族と乗ったディナークルーズでもまた彼が演奏していて、それがBroken Recordでさ、あれ………?ってなるっていう、そんな世界線じゃないです????????やばい、映画が撮れてしまう(落ち着いて)。
もちろんそんなMVではないので安心して見て…英語版の詞がそのまま字幕になっていて、何もかもがダイレクトに飛び込んでくるので、文字通り心が震えるよ…!
Golden(골든) - Hate Everything (Official Music Video) (Sub ENG)
Broken Recordは、ロンドン滞在中のバルコニーライブの動画だと地声がよくわかるので、音源と合わせて聞くと面白いと思う。どっちも置いておきます。
https://music.apple.com/jp/album/broken-record/1491103023?i=1491103062&at=10l8JW&ct=hatenablog
Golden(골든) - Broken Record (Balcony Live)
Golden、2020年1月にショーケースが決まってるんですけど、会場がパリなんですよね…さすがに遠いので、単独公演が近所で開催されるのを待つことにする…😭
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はーーーーー書き終わった!書き終わったぞ…!!!!
2019年は友人らのおかげもあり、これまでよりもこの界隈への理解を深める事ができてとてもありがたかった。そして、私が聞き始めた2017〜2018年に兵役に行った人たちが徐々に帰ってきはじめているので、オンタイムで聞けてなかった人のリリースを追えたりライブが見れたりしたのも嬉しかったなー。
このあと日を改めて曲別編も書くので、それが終わるまでは2020年の曲を聞き始められない…もう一踏ん張りがんばる…
アルバム編の最後に、この記事で取り上げた曲をまとめたApple Musicのプレイリストを置いておくので合わせて聞いてみてね!ではまた曲別編で…!
ねぇさんの「2019年によく聞いた曲ピックアップ(1/2) - アルバム編」をApple Musicで
*1:振り返る時に良かったので今年も #ねぇさんpick2020 でメモしていきたいと思います
*2:個人によるイメージです
*3:Deepshowerが編曲していてなるほどこの仕上がり、と大きく頷くのだった
*4:漢字で書きたくなる
*5:Wikipediaによると「必ずしもダンスフロア向けではない、独特で幻想的なリズム、メロディーラインが特徴である」だそうです
*6:感じ方には個人差があります
*8:幼少の頃からバイオリンの英才教育を受けてきた凄腕バイオリニストでもある。今はラッパーに集中している
*9:去年Penomecoがリリースした初ep
*10:Leellamarzが客演していてやはり、となった
*11:Penomeco、Movieではラップを封印していてマジか!と驚いた
*12:これは別に記事を書くつもり