2019年によく聞いた曲ピックアップ(2/2) 曲別編

少しずつ書いていたら2月になってしまった…今回はアルバム編と曲別編に記事を分けて書いている「2019年によく聞いた曲ピックアップ」、続いては曲別編です。過去2年と同じように、シチュエーションごとやキーワードを軸に印象深かったものやよく聞いたものについて書くよー。

※アルバム編はこちら

 

▼芝生で聞きたい

天気の良い日に芝生にレジャーシート敷いて昼寝しながら聞きたい曲のことを私は'芝生ソング'と呼んでいるのですが。2019年も良質な芝生ソングがたくさん生まれていて、晴天の昼間から心地よい昼寝に誘ってくれた。そんな芝生ソング選抜、今回はこの2曲。

Zebra by SOMA

1'30くらいから別の曲に変わるんだけど、MVがあるので貼りますね。


SOMA - Zebra + My Captain M/V

Like Me (Prod. Mokyo) by pH-1


pH-1 'Like Me (Prod. Mokyo)' Official Music Video

毎年4月に蘭芝漢江公園で開催されているHiphopplaya Festivalに去年も遊びに行ったんだけど、SOMAもph-1も出演してて、この2曲を歌ってくれたんですよね。芝生ソングとしての仕事を完璧に果たしてくれた。ちょっと見てほしいこのZebra!夜はかなり冷えたけど、その分昼は完璧に晴れてて気持ちよかったなー。

この曲が入ってるアルバムの中だとZebraはかなり異質な曲であった。私はあとこれが好きです。

Your Eyes

Your Eyes

  • SOMA
  • R&B/ソウル
  • ¥255

Like meは友達と雑な会話をしながら、まさにレジャーシートの上でダラダラ聞けて最高だった。これが芝生ソングの醍醐味なんだよなぁ。

2019年は何かとph-1のライブを見ることが多くて、もしかしたらPenomecoよりたくさん見てるんじゃないの?!となった*1。この曲も度々やってくれたんだけど、天気の良い日に芝生の上で聞くのがやはり最高だな、となったのだった。同じアルバムに入ってるMalibuがとても不穏で良い対比。

Malibu (feat. The Quiett & Mokyo) [Prod. Mokyo]

Malibu (feat. The Quiett & Mokyo) [Prod. Mokyo]

  • pH-1
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥255

 

▼宇宙に連れてってくれる

「宇宙を彷彿とさせる」と一口に言っても色々な絵があると思うんですけど、これは良い宇宙だなとなったものをいくつか。

Bad High (feat. Jade) by Primary


프라이머리 (Primary) - 'Bad High (Feat. Jade)' M/V

曲展開がGravity(映画)を見てるような印象だった。最初は探索機の小窓から明かりがともる地球をのぞいていたのに、1'00あたりから層が変わるというか…だんだん地球から離れていってる感じしません?ちょっとジジジってなるトラックも宇宙服着て会話してる時のノイズみたいで、そのうち周りにはデブリしかなくなり…みたいな…。だんだん独りになってく感じもとても宇宙ぽくて良かった。Primary、Amoeba Culture所属のベテラン(になるの?)名プロデューサー。リリースする曲どれも手が込んでて好きです。

Moonwalk by ASTRO

Moonwalk

Moonwalk

  • provided courtesy of iTunes

 この冒頭の音色が、私にとっては未知のものを前にした時の、不安と好奇心混じりの咆哮を表す音でもあって、すごく好きな音色なんですよね…。それと同時に、脳内に満月の映像を生成するトリガーにもなっていて、たまにこの音に出会うと月に飛ばされる気持ちになる。この曲を初めて聞いた時は、テンポといい展開といいタイトルといいグループ名といい(!)これは完璧な満月、いやむしろ皆既月食が起こっているのでは…?となった。巨大な月の映像を背負って踊ってほしいなぁー。

月といえば衛星。衛星といえば、その衛星が頭の周りをくるくるひゅんひゅんと回っているような音が印象的なこの曲もある意味宇宙。

Blind for Love by Risso


Risso(리소) - Blind For Love [Official Audio]

着色料でいちごミルク色に塗ったような声なので、一度聞いたらすぐ覚えられる。Hamming Urban StereoとレーベルメイトなRisso、同じくレーベルメイト*2の、と毎年12月に出してるレーベルのコンピが良いのでこっちも聞いてみてほしー。

https://music.apple.com/jp/album/mix-4-ep/1492664119?at=10l8JW&ct=hatenablog

Luckitty-Cat by WJSN 

Luckitty-Cat

Luckitty-Cat

  • provided courtesy of iTunes

宇宙少女は今すぐ任天堂とコラボして、マリオカートレインボーロードレースクイーンをやるべき…いやドライバーでもいいよ!!となった曲。イントロからAメロに入るまでの音作りなんて正にジェットスタートしようとエンジンふかしてるところだし、サビはコーナーで加速するところじゃん!!と大興奮だった。

これ、同じアルバムに入ってるWwもレインボーロードだ…となり、任天堂はなにしてるの?!と西の方に向かって叫んでいた。メロディが上下にぽんぽん踊るのですごく難しそう…でもマリオカートなんだよ…なにがそうさせてるんだろう、テンポかな…

Ww

Ww

 

▼マスターあれひとつ、となる曲

私が曲の印象を話す時、お酒に例えることがよくあるんですけど、2019年はウイスキーのお供が豊富で嬉しかった…その中でも飛び抜けていたのがこれ。

… by LeellaMarz & Apro 

…

  • LeellaMarz & Apro
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

アルバム編でも取りあげたLeellamarzと、CocobottleをはじめとするPenomecoの作品でよく登場するAproさん(なんでかさん付けしちゃう)との共作'[ Leellamarz ] is defferent'より。これトラックもすばらしいんだけど、Leellamarzの歌がすごい。叫ぶように歌うの超良くてさ、こ持っている感情の量がすごいの。で、うわぁと思ってたら泣きそうなバイオリンの音が被さるので心臓がギュッとなるんだよね…。きっついウイスキーください…ってなった後、それを飲み切る前に耐えきれずに席を立ち、土砂降りの中「なんでだよ!!」って泣きながら歌うのがこれです…(?)ちなみにこのアルバム、タイトル曲ではPenomecoを客演に迎えて超俺得なコラボが実現しておりそれも超良いのでこっちもよろしく…

I THINK (feat. PENOMECO) by LeellaMarz & Apro

I THINK (feat. PENOMECO)

I THINK (feat. PENOMECO)

  • Leellamarz & Apro
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥255

Taste (feat. GIRIBOY) [Prod. By GRAY] by Woo


우원재 (Woo) - '호불호 (Feat. 기리보이) (Prod. By GRAY)' Official Music Video (ENG/CHN)

これもウィスキー。なんだろう、ウィスキーぽい音色ってあるよね?ちょっと乾燥して煙たそうなトラック、ピートのきついウィスキーそっくり。

010 (feat. GIRIBOY) by BIG Naughty 


[ENG sub] Show Me The Money8 [10회] 서동현 - 전화번호 (Feat. 기리보이) @세미파이널 4강 190927 EP.10

酒に例える曲として彼を引き合いに出していいのか判断つかないんだけど…show me the money8でGIRIBOYやCrushを虜にしたBIG Naughtyことソドンヒョン、本当になんていう声なんだろう!私にとってはこのエフェクトのギターの音に詰まり気味のリズムは完全にバーテンダーが一人でまわしてる看板のないバーなんですよね。そのトラックにこんな声乗せちゃうんだ…へぇ…ウィスキーのおかわりをもらいたいのに、歌が良すぎて酔いが覚めちゃうじゃない…。

All About Us (feat. Niia) by CODE KUNST


코드 쿤스트 (CODE KUNST) - 'All About Us (Feat. Niia)' Official Visualizer

CODE KUNST、この曲もアルバムに入ってる他の曲も、きめ細かいシャンパンの泡がキラキラしゅわしゅわしているようで本当に素敵だった。シャンパンの中にダイブしたら世界が金色に見えるじゃない?シャンパンゴールドとはまさにこの事だなとなった。

Gravity by DPR LIVE & DPR CREAM

Gravity

Gravity

  • DPR LIVE & DPR CREAM
  • K-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

トラックにおけるエレキギターの使い方が天才!!これはバーというかレトロなアメリカンダイナーだよなぁ。ここでの「マスターあれひとつ」は、ビールではなく瓶のコーラなんだよね、知ってる(?)。大きな水色のドットのワンピースを着て、頭に特大のリボンをかざりたくなるほどよいレトロさがビールではなくコーラにさせるんだよな…。これ、adidasのOzweegoってラインのプロモーションでMVに相当する映像が作られているんだが*3それがめちゃくちゃかっこいい。フライングVをコンクリートの地面に引きずって火花散らしてる絵面に「だよね!!!!!」となる視覚化のうまさにも脱帽するしかなかった。


adidas Originals | Ozweego | DPR | 60"

Gravityみたいにはっきりエレキギター!ってわかる音作りをする曲、他だとこの辺が印象に残ってるなぁ。Heroは「マスターあれひとつ」というか、格闘ゲームのステージBGMじゃん…!イントロで絶対「Round 2, Fight!」って言うじゃん!って思いながら、脳内では「燃えたろ?」って言う彼がよぎりましたね…*4

Hero (feat. 한요한, Mckdaddy & Chillin Homie) by PULLIK

Hero (feat. 한요한, Mckdaddy & Chillin Homie)

Hero (feat. 한요한, Mckdaddy & Chillin Homie)

  • provided courtesy of iTunes

 

ユートピア感あふれる曲

宇宙でもバーでもなく、楽園に連れて行ってくれた曲はこの2つ。

I Wanna Be (feat. SOYEON) by KEY


KEY 키 'I Wanna Be (Feat. 소연 of (여자)아이들)' MV

One of those nightも好きなんだけど、KEYくんの声にはポジティブで余韻のある音色を合わせる方が私は好きでさ。この曲の雰囲気、おいでってする手を掴むと体が浮きそうな感じしません?ピーターパンみたいだよなぁ。

I Wanna Beは、リリースされたタイミングと、KEYくんがこの歌詞を歌っているという事がクロスオーバーしてしまいなんでかめちゃくちゃ泣いた記憶があるなぁ…。これFaceっていうKEYくんソロデビューアルバムのリパケのタイトル曲なんですけど、リリース日が兵役に行く日でさ、そんな日の置き土産にしていく曲の歌詞がこれなの。本当に、キーくん本当に…(´;ω;`)

いつも君のそばに

I wanna be

感謝しないくらいに当たり前になりますように

10歩も歩く前にぼくを見つけられますように

いつも君のそばに

I wanna be


いつも君の中に

I wanna be

寂しい時はぼくを思い出しますように

今この歌が終わりきる前に

いつも君の中に

I wanna be

 

Euphoric Forest by DIDI HAN

Euphoric Forest

Euphoric Forest

  • provided courtesy of iTunes

あちらが浮島ならこちらは神秘の森って感じ。霧が出ていてひんやりしていて、見たことのない木があちこちに生えててさ、奥の方の大木の影から6本のツノが生えた鹿がこっちを見てるよ…*5。曲名もEuphoric Forestで文字通りだった。DIDI HAN、梨泰院のクラブSoapでよく名前を見かけるのだけど、ここのオーナー達と同じクルー?なの?とてもきれいな音作りだったので、今年はDJやってるところも見れるといいなぁ。

 

▼両腕上がっちゃう曲

フェスやアワードで見て聞いて私がうおおーー!!!って湧いた曲のうちこれというものをいくつか。
Superhuman by NCT 127


NCT 127 엔시티 127 'Superhuman' MV

冒頭の「Yeeeaaahhh!!! Suupeerrhuumaaan!!!」は否応なしにあがるし、SMドルの曲で「Yeeeaaah!!」っていうフレーズがあるといつもスーパーヒューマァァァン!って言いたくなった。SHINeeぽいとか当初は色々言われており、確かにと感じるところもあるのだけど、イヤホンで聞くと多種多様な電子音がトラックに散り散りになっているのがわかっておもしろかった。フェスやコンサートで聞くと細かいところまで耳に入ってきたりしない事が多いので、イヤホンで聞くのとコンサートで聞くのとどっちも体験できると味わい深くなる。なるんだけど、味わい深さよりも何よりもやっぱり冒頭の「Yeeeaaahhh!!! Suupeerrhuumaaan!!!」のフレーズだけであああの曲でしょ?ってなれる超キャッチーさが一番な武器だなぁ…となったのであった。

ICY by ITZY


ITZY "ICY" M/V

Penomeco〜!!Penomeco売れた〜!!トラックリストが公開された時にクレジットを見て「餅ゴリ…Pen…?!Penomeco?!?」となった瞬間のことは今でも昨日のことのように覚えているな…。ラップメイキングをPenomecoがまるっと手がけていて、その時点で「うおおおーー!!」となるのだけど、鮮やかな自己肯定や「私は私!」となる歌詞にもスカッとする。そして何よりこの曲は年末のアワードステージが素晴らしかったんだ…MMAのマーチングアレンジ見ました?!私はあれを現地で見ており「ぺのめこが作ったラップがあんなに堂々たるアレンジになり目の前で華やかにITZYが披露していておれはもうだめだ」となりながら目頭を熱くし、「ぺのめこ売れた…😭」となったのだった。


ITZY MMA 2019 "WANT IT? + 달라달라(DALLA DALLA) + ICY"


▼着陸に際し高度を下げるよって時に聞いていたい

まさにソウルに着くフライトでこのパートを書いているのですが、この二曲は本当に良く合う。

Rain Shower (feat. Hash Swan) by LeellaMarz 

Rain Shower (feat. Hash Swan)

Rain Shower (feat. Hash Swan)

  • LeellaMarz
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

Rain Showerは旅先からの帰国の夜便の着陸の時、っていうイメージなんだよな。「あー楽しかった、あれは本当に傑作だった」っていう回想と、「帰ったら荷解きしなきゃな、うめさんお腹空かせてるかな」みたいに気持ちが日常に戻る様がいい感じに混ざっていて、ふうー、と一息つける。

今回Leellamarzめちゃくちゃピックアップしてるなぁと今気づいたんだけど、彼本当に声の表現が幅広くておもしろい。声色やトーンの変化がわかりやすいのでどれも同じ人によるものとは思えない。Hash Swanも同じで、彼は声色にかなり強めの特徴があるんですけど、ラップの表情の豊かさが面白くて好きですね…声質に耳が行きがちなのだけど、さっき取り上げた曲と正反対の毛色のこの曲にもスッとなじんで聞こえる事こそが、彼のラップにおける表現の使い分けの精度がいかに高いかを表しているなぁと思います。くそ、この曲の視聴でへしゅのラップにたどり着かないの悔しい…。ちなみにこの2人、ambition musikのレーベルメイトです。ニューイヤーバンジーを一緒にキメにいったりスノボ一緒にしたり、ステージでも一緒にちょけてたりしていて仲良し。コラボする機会も多いので、次の新しい共同作業に期待!

Take It Away (feat. PENOMECO & pH-1) by


아빈(AVIN) - Take It Away (Feat. PENOMECO, pH-1) Official M/V

こちらは旅先ではなく、帰省先とか出張先からまたいつもの街に1人で戻ってきた時に窓から覗く夜景をぼぉっと見てる、みたいなイメージ。同じ'日常に戻る'でもシチュエーションが少し違う…いつもとは違う日常から、いつもの日常に、戻ってくるような印象だったな。トラックの作り方や音色の選び方の違いでこうも頭に浮かぶ場面が違うとは、やっぱり音楽は面白いなぁ。

 

▼ねっとりしていて重い曲

独特のねっとり感と重力を兼ね備えた曲といえば、去年はSogumm & dressのコンビの圧勝の年だったなと思うのです。このコンビはアルバム編でも取り上げたんですけど*6、知ったきっかけはこの曲だった。

Baby (feat. PENOMECO & sogumm) by dress


Dress (드레스) - baby (feat. Penomeco (페노메코), sogumm (소금)) / [DF LIVE]

Babyについては2万字近いテキストを放り込んだ記事*7で触れてるのでそっちを読んでほしいんですけど、プロデューサーのdress先生によるSMドルへの曲提供がいくつかあり。歌い手の湿度と粘度のスキルスコアが+50とかになっていてすごく面白かった。

UN Village by BAEKHYUN


BAEKHYUN 백현 'UN Village' MV

Why by U-KNOW


U-Know Yunho (TVXQ) – Why 왜 | [Official_Audio]

何がすごいかって、誰が歌っていてもそこはかとなく漂う'dress'の匂いよ。重心が低く、決して天気は穏やかではない、目隠しでもされていそうな密室感。何がそうさせているんだろうな…私は空気感を表す言葉やその言葉を生む音色のことくらいしか話せないのでもどかしい。誰かに音楽的に分解してもらいたいなぁ…。

そしてdress先生以外の曲にも「重ッ」てなる曲はあるぞってことで、これを。

imfuckeduplotofdrunk (feat. Hash Swan) by EL Rune

imfuckeduplotofdrunk (feat. Hash Swan)

imfuckeduplotofdrunk (feat. Hash Swan)

  • EL Rune
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

曲名から既に重たそうな匂いがぷんぷんしてる…。EL Runeはこの曲で初めて知ったのだけど、声に特長があって印象に残る。なんていうか、深度が40mくらいあってのぞけばのぞくほど暗く深くなり光が届かなくなる、みたいな。この曲のビートがその印象を強くしているところもあって、なんだかズブッと行くんだよな。Twitterでは「触れたら最後」という表現をしたんですけど、それはそんなEL Runeの声も然り、そして客演のHash Swanのパートも然り。いやね、彼がすごい良い仕事しているんですよ…なのにこれも視聴でへしゅパートまで聞けない…。さっき別の曲でも触れた表現の違いがよくわかると思うのでぜひ探して聴き比べてほしいんですけど、じっとりした重たいビートにHash Swanの怠くてややうんざりした感情が籠められてそうな声がさ、まーーーーー良く似合うこと似合うこと………。高めの声で歌うところから入り、だんだんトーンが低くなりラップになだれ込む展開がぞくぞくする。これ絶対に歌詞がやばいぞ…と思い、彼のパートを翻訳にかけたところ、「今は退屈だ」に始まり最後がこんな内容で私は頭を抱えるのであった。何にも考えてないマン、めちゃくちゃ考えていてこわいこわい(´;ω;`)

私はあの時のように記憶を消した

愛を論じる時は明日が必要

私は私が覚えてないふりをしたことを覚えてるよ

Hash Swan、2018年は歌とラップを操る印象がそこまで強くなかったのだけど、2019年はびっくりするくらい色んなビートやトラックをこなしていてめちゃくちゃ器用だなと思った。シングル出したりもしていたけど客演がとにかく多かったせいもあるのかな…AOMGとの契約をかけたサバイバル番組Sign hereでMaddoxに客演した'Chemistry'って曲は別にねっとり重たい訳ではないのだけど、いつものキレの良いラップをかましたあと間髪入れずにシンギングラップ?をぶっ込んでくるので「う わーーーーー!!」ってなる。こんなに変幻自在だった?!という驚きがあったんだよな…

Chemistry (feat. Hash Swan) by maddox


사인히어 - Signhere, Chemistry [마독스 vs 오르내림] 마독스 (Ft. hash Swan, Prod. GRAY)

Maddoxはこの曲で知ったんだけど、はじめは女性の声かと思っていたのでステージ動画を見てひっくり返ってしまった。なんという中性的できれいな声なんだ...。これを聞いているとニューヨークラウンジでドライマティーニあたりを飲みたくなるので、前述の「マスターあれひとつ、となる曲」にもエントリーさせたくなる。この曲GRAYがプロデュースしているんだけど、このビートをMaddoxとやるにあたりHash Swan連れてきてシンギングラップさせるとか天才か?となった。最後にリズムが変わるビートそのものもめちゃくちゃかっこいいし、本当にプロデュースがうまいわ…。Hash Swanはまもなくフルアルバムがリリースされるので、2019年を経たアウトプットがどうなるのかとても楽しみ。

 

▼四季を連れてくる曲

音楽はそれをいつ聞くかによって受け取るイメージが変わるとおもっているのですが、その逆で、どの時期に聞いてもその季節を連れてくる曲というものもあるんじゃないかと思うのですよ。ここでは春夏秋冬それぞれを連れてくる曲を。

春:

Honey Bee (feat. PENOMECO) by dress & sogumm

ちょっとまずは聞いてほしい、話はそれからだ。

Honey Bee (feat. PENOMECO)

Honey Bee (feat. PENOMECO)

  • dress & SOGUMM
  • K-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

どう?どう??まごうことなき春じゃないです?!この'四季を連れてくる曲'ブロックはこの曲のことを書きたくて作った、みたいなとこあるのよ!すごいのこの曲!(大興奮)冒頭のsogummさんの歌とイントロは花を探して飛ぶ蝶々だし、Penomecoのsogummさんの声「flower flower」と被せて歌うところは蜜たっぷりの花めがけてまっすぐ飛ぶ蜜蜂の軌道のようだし、囁くような高いトーンで「Honey bee Honey bee...」ってするパートなんて花の蜜を運ぶ蜜蜂そのものじゃない??それこそPenomecoの声だってハチミツのような甘さでさ、この曲を聞くといつも花畑にいるような気持ちになるんだよなぁー。

夏:

FUN! by fromis_9


[MV] 프로미스나인 (fromis_9) - FUN!

みてよこれ!Fantaオレンジ!これはFantaオレンジCMとタイアップしないとおかしい!!トラックのしゅわっとはじける感じ、それに乗る声の軽やかさを、サビの「〜るるる♪」の語幹が繰り返し出てくる気持ち良さがぐいぐい増強させていて、このフレーズにこの歌詞を当てた人は天才!!!!となった。プールサイドでFantaオレンジを飲む時のテーマソングで間違いない。真横でウォータースライダーを滑ってきた人の水しぶきがキラキラしてるのがみえるよ…!

Bittersweet by 퍼프


[MV] 퍼프(PUFF) - Bittersweet

同じ夏でもこっちはタヒチやバリのリゾートの海沿いバンガローで、パーフェクトブルーの凪海を見ながらトロピカルジュースを一口、みたいな夏だな。MVめちゃめちゃ屋内でびっくりしてるけどww Puffくん、声も良いしトラックも軽めでとても耳馴染みが良いので気になったら他の曲も聞いてほしいなー。

秋:

Private (feat. IT'S) by Boitello

Private (feat. IT'S)

Private (feat. IT'S)

  • provided courtesy of iTunes

秋とアコースティックギター、私の中ではわかりやすく紐付いているのだけど、この曲はそこにさらに膝下まであるロングスカートを翻して踊りたくなるリズムにテンポ、そしてギターのカッティングとコードが彩りを与えていて、紅葉が秋風に舞い散りダンスをしているようなんですよ…!!(一息で言った)何よりこの曲、最後のサビでキーがあがるの…!在りし日のJ-POPを思い出してしまいとても気持ちが上がった。客演してるIT'Sのきれいだけどちょっとだけ憂いを秘めた声も、秋にふぅっとため息をつく一瞬の寂しさというか切なさというか、そういうスパイスとしてとても美しく作用していてさ。本当にすばらしい、すばらしく秋。

Boitello、2019年にリリースしたいくつかの曲も高い角度で私に刺さっており、今年どっかでライブやDJするところ(DJするタイプの人なのかすら知らない)を見られると良いなーと思っています。

冬:

Butterfly by BoA

Butterfly

Butterfly

  • provided courtesy of iTunes

今年もクリスマスを浮かべながら描かれただろう曲がたくさんあったのだけど、イントロのベルのような音を聞いた瞬間にウワーーーっと頭の中がライトアップされたのがこれだったなぁ。視聴にはイントロのベルは入ってないので、ぜひ探して聞いてほしい。何月に聞いても12月に戻ってこれる曲。安っぽいイルミネーションではなく、暖色灯がふわっと照らしていてさ、レンガ造りの建物のそばで開催されているクリスマスマーケットをゆっくり散歩する様子が見えますよね。あとなんていうか、このベースラインとリズムが私にとってはナイトフライトと紐づいてるんだろうなぁ。クリスマスに大事な人に会いにいくナイトフライトで、ふと外を見たら夜景がきれいでさ…みたいな絵が浮かんだりもした。

でもこれBoAの声だからこうなのであって、例えばテヨンとかだとこうはならない。頭に浮かぶのが'暖色灯がふわっと照らしてる'的なソフトエッジな絵になるのは彼女の声の特徴だよなぁ。上品で素敵な冬の曲だった

Blue by TAEYEON

Blue

Blue

  • provided courtesy of iTunes

そのテヨンの曲、あまりにもきれいすぎてあまりひっかかってこないのだけど、この曲だけはスゥッと入ってきてしばらく聞いてたなぁ。なんかさ、冬ってふいに「自分以外誰もいない、誰も自分のことに気づかない」みたいな、ぽつんとした気持ちになる事ないです?Blueはその、私にとってはひとりぽつんとなった時の心情を呼び起こすトリガーみたいな曲で、自分の思考にダイブするような感覚になるんですよね。BoAのさっきの曲のイントロがクリスマスの人の気配を連れてくるのに対して、テヨンのこれはイントロのピアノの入り方で周囲の人の気配や音をスッとミュートにするんだよなぁ。真逆。同じ冬でも対比が面白かったです。

New Year (feat. Paloalto) by Jason Lee


제이슨 리(Jason Lee) - New Year (feat. 팔로알토(Paloalto)) | 가사 | Official Lyric Video

アルバム編でも触れた、今年絶対に生で見るぞと決めていたJason Leeのホリデーシングルから。クリスマスが終わってから新年が来るまでの間の、華やかさは落ち着いたけどまだ浮き足立ってるトラックがまさにNew Yearって感じで、そこに乗るPaloaltoのラップの小気味の良さったらない!パロさんのラップ軽やかなので曲全体のお洒落さも度がすぎずちょうどいい。クリスマスイブにこれもmodeciで聞けたので、私にとっての正月は2019年12月24日です。

 

▼イントロオブザベスト

音源はなんでも一曲目から聞くので、二曲目を聞く姿勢を作るイントロ曲は私にとってはとても大事な曲なのです。今年も「おー!」となった曲があったので、それを二曲ほど。

Intro by IOAH

これ、Twitterに書いたことが全てなので引用しますね。


その上で聞いて欲しいんですけど、ど頭から聞けるリンクが本人のインスタのAudio Visualだけだったのでそれを。

…どうだろうこの試される13秒。私は割と聞けてしまうのだけど、この前頭葉をスキャンされているというか、回頭手術されているような展開がなんと5分続く(!)。13秒はいけても手術5分はなかなかじゃない?!ってなるんですけど、思い出してほしいんですよね…このアルバムのタイトルが「Phychofetish」っていうことを。超納得しちゃう。

Testing (feat. YUNHWAY) by IOAH

Testing (feat. YUNHWAY)

Testing (feat. YUNHWAY)

  • provided courtesy of iTunes

その手術を経てのタイトル曲が完全に飛んでいてすごい。繰り返される'hit hard with the beat go hard'、後頭部裏から誘い続ける少し気怠いユンフェイの声。低いトーンで言われるとなかなかにくるものがある。ちなみにこのアルバム、最後の曲がSalvationって言うんですよね…なんという癖に対するまっすぐさ…。

IOAHはWYBHのクルーメンバーでもあり、去年の11月からwavyのメンバーでもあるようで、このアルバムのExective Producerにはcoldeのクレジットが。IOAHはDJしてるところを見たことがあるんですけど、四つ打ちを通ってきている匂いがして私はとても好きだった。ずっと聞いていられる繋ぎ方で面白かったです。

Intro (Nostalgia) by VICTON

Intro (Nostalgia)

Intro (Nostalgia)

  • provided courtesy of iTunes

IOAHと真逆なのもいいところなVICTONのイントロは、レトロ映画でもはじまりそうな空気なのが良いのです。続く2曲目以降よりもこればっかり聞いてた。 11月リリースなので、紅葉を経てあたりの彩度が落ちていく時期にシンと空気が冷える温度感なのも、冬の始まりの知らせみたいで好きだったなぁ。

 

▼推しオブザベスト

ベストといいつつ全然各一曲に選べてないのですが、今年もSEVENTEENSHINeeは活動がなかったのでTAEMIN、そしてPenomecoからこれ!という曲を。

SEVENTEEN

HIT by SEVENTEEN


[M/V] SEVENTEEN(세븐틴) - HIT

サマソニはいかなかったので、夏のソウルコンでこれが聞けることを楽しみにしており、概ね本編の最後にこの曲がねじ込まれていたので「お前を待っていたんや!!」となった。ビッカビカに光るレーザーや照明を浴びて、気力が尽きる勢い(だが尽きないのですごい)でメンバーが踊り、こちらはうおーーー!!と両手を上げ、ペットボトルの水が飛ぶみたいな絵しか浮かばん!という曲で、ペンライトを振るだけで足りる?!足りるの?!?!っていう*8。サビは概ねwowしか言ってなくてオタクに名前を叫ばせる作りなのもワハハとなって良いし、叫ばせる内容もやたらハードで頭がおかしく、だがそれも良い。超コンサート向きの、何にも考えずに踊る阿呆になれる曲です。

それとね、セブチはもうひとつあるの。

Snap Shoot by SEVENTEEN


SEVENTEEN - Snap Shoot + Fear (독) [Show! Music Core Ep 649]

Fearの前のSnap Shootの方を見てほしいんですけど、ミュージカルの大団円みたいな曲でとてもセブチっぽい。私はこの曲の、1回目のサビ後の同音連譜のメロディーがとてもとても好きなんですよね。2'00あたりだと同音連譜は鍵盤が担うんだけど、手拍子と声で気持ちを上げていく感じ、天使にラブソングをみたいでとても高揚する。そして振り付けが本当に本当に良い。動画を見始めてから久しぶりに音楽番組行脚をしてしまい、解釈がスーパー一致したジョシュアのスタイリング*9を見て「アイドルでいてくれてありがとう」みたいな気持ちになった。

Snap Shootの面白さは際立つ個々の声色と声質なんだよな。さっきの1回目のサビ後の同音連譜のメロディーのところ、あれはディノ*10が歌っているんですけど、私あそこは彼の声で歌うことでいっそう記憶に残るパートになっていると思っているんですよね。ディノちゃんの声は、声色が生み出す雰囲気のバロメーターがどれもバランスよく高くて、それを引き出して色を付けるの上手でさ、芯が通っていて適度な太さや硬度があるのでメロディーが立つし、ちょっとざらっとしているので記憶に残る。このパートにおいてはウジくんやジョシュアの声では繊細すぎるし、ヒポチの声では強すぎるのよ。でもこの人たちにはこの人たちが活きるパートがちゃんとある。このトラックにこの人の声がはまることで出来上がる空気というものがあるとして、この曲はそれがとても気持ちよく設計されているなぁと。高くて抜けの良い声の後に圧のある声で着地させ、サビに向けて盛り上げていくところで低い声を差し込んで地面から盛り上げていく。ウジくん本当にプロデュースがお上手。人の声こそ楽器だなぁと思える曲です。

 

TAEMIN:

Shadow by TAEMIN 

Shadow

Shadow

  • provided courtesy of iTunes

2019年、特に上半期のテミンさんは本当に良い濃度だった。WANTめちゃくちゃ聞いたし、こんな爬虫類の妖気で埋め尽くされた狂気のトラックとMV、滅多にお目にかかれるもんじゃない。むちゃくちゃハードなコンセプトをノーナルシズムでやってのけるのがテミンさんの凄さなんだよな…あの蛇CGじゃなくて本物なんだっていうし、本当になんなの…


TAEMIN 태민 'WANT' MV

そんなWANT…ではなくShadowをピックアップしたのは、このWANTが収録されたミニアルバムや去年日本でリリースしたアルバムの曲を含んだ構成で作られたソウルでのコンサート「T1001101*11」において、Shadowを含むブロックの演出が目に焼き付いて離れなかったからです。

友人にはよく話すんですけど私このコンサートが本当に本当に好きで。日本でのホールツアーSirius*12までの過程とWANTを経たからこそ到達した演目と演出だなと思っていて、ちょっとこれまで私がみてきたあらゆるコンサートの中でも次元の違う仕上がりで本当に凄いんですよ。その演目の中でもとりわけイテミンの癖が爆発している演出がHoly Water→Heaven*13→Shadowの3曲連続ブロックなんですけど、ちょっと私のツイートを見てほしい。一つ目がソウルコンでの初見の私で、二つ目が年末の日本公演で再会した時の私です。

Holy Waterのデモ曲を聞いたときに「すぐに気に入った、コンサートの最後を飾る曲だとすぐに思った」となるテミンさんの感性が炸裂しているんですよね…Shadowはそのブロックの締めにあたる。従者(という名のバックダンサー)による入れ物のようになったテミンさんを神格化するような振り付けがされていてね…ペンライトがトーチに見えてきてしまい、待って待って行かないで概念にならないで…!!ってしてた時の記憶がありありと蘇るんです、この曲を聞くと。

テミンさん、2020年はソロでのカムバックを控えたうえになんとSHINeeとしての活動もあると明言しており、とてもとても楽しみにしているのです。また強烈なやつをお見舞いしてほしいなー。

ちなみに日本でリリースしたアルバムのこの曲も好きですごくよく聞いたんですよね…

Famous by TAEMIN


TAEMIN 'Famous' Performance Ver.

すごく好きだしよく聞きはしたんですけど、いざピックアップして書こうとしたら「すごいかっこいい」しか書けなかったのでメインでピックアップはやめた笑 Famous、クラブで聴きたくなる低音で良いんだよな。私はこの曲と、岡村靖幸プロデュースでMEGが出したなんとなく雰囲気の近いTRAPって曲をセットでずっと聞いていた。これ、2019年の年末音楽番組で韓国語バージョンが披露されていたので、次のアルバムに入るんだろうなぁ。


[예능연구소 직캠] TAEMIN - Famous, 태민 - Famous @2019 MBC Music festival 20191231

 

Penomeco:

2019年5月までに出た曲については別の記事にほぼ網羅する形で触れてあるんですけど、そこから先も本当に、本当にずっとリリースが続いていたPenomeco。本人も雑誌のインタビューで「2019年は絶え間なく存在を知って欲しかった。あとから振り返ってみてびっくりする量の仕事をしてたw」みたいなことを言っていた*14。一つ一つ触れたいところなんだがキリがないので3つ(3つも?)…

MSG (feat. PENOMECO) by Dynamicduo


다이나믹 듀오 (Dynamicduo) - 맵고짜고단거 (MSG) (Feat. 페노메코 (PENOMECO)) MV

ダデュに客演!?しかもタイトル曲だぞ…?!となり、全ペノメコペンが泣いた。ダデュのアルバム自体とても聞き応えがあって、客演も豪華で、一曲一曲のキャラ立ちがものすごいんですよ。そんな中でもPenomecoの声はこんなにも特長があってこんなにも華を添えられるのか…!となった。歌番組にダデュが出演した時にこの曲を披露していたんですけど、Penomeco抜きだったんですよね。それ聞いて、やはりあの声そのものが武器なんだなという気持ちを強くした。

MSGはさ、Aproさんの攻めっ攻めビートからもPenomecoの力のこもった強めのラップからも「やってやるぞ!!」感が伝わってくるし、それに対してダデュの「かかってきたまえ」感がバッチバチしてるのも超楽しい。今年のPeomecoの客演仕事の中で一番遠慮なしに真っ向からぶつかってるようでもありそれもまた良き。フェスではペノパートを切り出して披露してくれるんですけど、「これはやっぱ、完全体のステージが見たいなぁー」と思った*15。今年もどこかでコラボチャンスがあるといいなぁーー。

Movie by PENOMECO


[MV] 페노메코(Penomeco) - 영화 한 편 찍자

これ、Penomecoがラップを封印して歌一本で勝負した曲なんです。この曲だけで一記事書いてるので詳しくはそっちをみてほしいんですけど*16、Penomecoの繊細な言葉選びと丁寧に情景描写させようとするトラックとその描写エンジンに燃料を注ぐ歌い方なので、ラップがうまくてすごい!!!となってる人にに「ラップだけじゃねんだぞペノメコは🔥🔥🔥」と言って聞かせてあげたいのがこれです。本人としても渾身の曲だったようなのだけど、リアクションが思ったほどではなくシュンとしたと聞き、やはり感じたことはきちんと届けないといけない……とオタクは姿勢を正すのだった。

それと、待望の音源化という点ではこれも。

Do Ma Thang by PENOMECO

Do Ma Thang

Do Ma Thang

  • PENOMECO
  • ヒップホップ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

Cocobottle同様、プロデューサーにAproさんを迎えた、ペノアプの空気感といえばこれと言わんばかりのDo ma thang。breakersで披露されてから一年半くらい…?とにかく研磨に研磨を重ねて音源になっていて私は泣いた。これ是非解像度の高いイヤホンで聞いてほしいんですけど、こまかーーーいこまかーーーい、でも耳に残る音がちょっと違うだけでbreakersとか2019年の単独コンサートの時とすごく印象が変わるの。シャッター切ったあとキュイーンってする音もスクラッチする音も削られたことで、バイオリン弾くような細かい音がちょう聞こえるし、ステージでは目詰まりする密度だったところを、音源になってクリアになった分トラックの隙間ができて、そのトラックの隙間の向こうにめちゃくちゃ絵が見えるんですよ…。音数が減った分曲の解像度がグンとあがり、ペノアプそれぞれの表現が研磨された事がはっきりわかってすごい。聞いた時は本当に大興奮だった。

breakersの時はリズムがバンド音っぽくて花嵐みたいだったんだけど、音源だと密度が高くない分花園の全貌がはっきり見えるっていうか…ジャズタッチのピアノの音のせいで小鳥鳴いてんのに日を隠すし、なんてゆーか、真夜中の秘密の花園のようなんですよね。かと思ったらアラーム音なるし、いやーーすごい。リズムの入り方もこんなに抜けあったっけ?ってなったし、イントロから奥行きが深くなったり浅くなったりするのもステージだけではわからないわけでさ…。なんていうか、ステージと音源はやはり違う。ビジュアル化エンジンがガンガンかかるのはやっぱ音源だよな…。ちょう楽しくて過去イチシークバー触って音探しをした。歌詞は全然そんな内容ではないんですけど、真夜中の秘密の花園花嵐が吹く(?)のでぜひイヤホンで聞いてほしいなー。

この曲が収録されているシングル、naflaを客演に迎えたSeñoritaも良いので合わせて聞いてね…ペノメコペンからのお願いだ…

if. - Single

if. - Single

  • PENOMECO
  • ヒップホップ
  • ¥306

 

▼2019年に一曲だけ選ぶとしたら

2018年のLullabyみたいな圧倒的な曲は2019年にはなかったんですけど、振り返った時に「これは本当によく聞いたなぁーーー」となった曲はこれでした。

Feeling (feat. PENOMECO) by JEONG SEWOON


[MV] 정세운 - Feeling (Feat. PENOMECO) (JEONG SEWOON)

セウン氏、私にとってはちょっと特別なんですよね。よく聞いた曲2017年版の記事*17を是非読んでいただきたいんですけど、私彼のデビュー曲*18がきっかけで、所謂K-hiphopR&B界隈に興味を持つ事ができたので。そんなセウン氏の曲にすっかり推しと化したPenomecoが客演するっていうから、当時の私は「待って?!?!?!」となっていたわけです。人生交差点だ…。

で、このFeelingって曲なんですけど、とにかくPenomecoのカットインの仕方と言葉の載せ方が好きで好きでたまらなくて、聞くたびに「恋が始まってしまう!!!!」って言っていた。4拍子で刻んでいたリズムが次第に細かくなり、ラップも跳躍してさ、歌に変わるところでファーーーっと桜が散るのよ…!これ、この曲が春にリリースされたってことも抜群にプラスに作用しているんだよな。MVでも桜がひらひら散っていて、これを聞いている私も桜がひらひら散っている川沿いを散歩したりしててさ、ほんとにPenomecoがいつカットインしてきてもおかしくなかったよ…(?)。2019年の春はこの曲なしでは語れない、ってくらいずっと聞いていたなぁ。

この、セウン氏の爽やかでキラッキラなトラックに対して、MSGやBabyともDo ma thangとも違う出力ができるのがPenomecoの良さであり、私がPenomecoを好きな所以なんですよね。歌詞も見てほしい、「わかるでしょ、未熟な僕だけど君だけを見てるよ」なんてアイドル顔負けの甘々な歌詞を書く人と「Fuck up great hunger」って強烈な歌詞を書く人が同じと思わないからさ。


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はーーーーー書いた、書いたぞーー。一年分の曲を振り返る記事は今年で3回めになるんですけど、年を重ねるごとに自分の好みの輪郭がどんどんはっきりしていくのが面白い。2020年はPenomecoやZICO、CrushにDEANらがみんな兵役に行ってしまう*19さみしさもありつつ、留守の間に台頭する人たちに期待もしつつ…。一年後にどんなまとめをするのか楽しみだなー。


最後に、この記事で取り上げた曲をまとめたプレイリストのリンクを貼っておきますね。良きに活用してね!

‎ねぇさんの「2019年によく聞いた曲ピックアップ(2/2) - 曲別編」をApple Musicで

 

▽ところで…

去年FANXY CHILDのコンサートに行った後、いろいろな要因があって*20、文字通り転げ落ちるように「ヒョク」呼び*21をするDEANペンになってしまったんですよね私…。声を大にして言うのがなんだか気恥ずかしくてTwitterではそこまで騒がないようにしてるんですけど*22…。私の中で一線を超えない(一線を超えない…?)ための決まり事として「人間性に興味を持たない」があるんですが、過去最高に人間性に興味を持ってしまった一番よくない例が彼です。どうしてこうなった。

そんなDEANが2019年最後に放った客演曲が最高の目覚めの一曲なので聞いて…視聴の最後にDEANパートが少し入ってるから…!

Wake Up (feat. DEAN) by Crush

Wake Up (feat. DEAN)

Wake Up (feat. DEAN)

  • provided courtesy of iTunes

2019年12月に出演したフェスでアカペラで自分のパートを歌ってくれたのを受け、「アーーーーーーーだめだーー」と口から漏れる私の動画をもちましてこの記事の締めといたします…。ほんと、もうだめだ……。

 

 

*1:実際そうで笑った

*2:waltzsofa recordsというようですhttps://instagram.com/waltzsofarecords

*3:もちろんDPRが映像作っている

*4:KOFの彼です

*5:シシガミさま…

*6:Not my faultのことだよ

*7:Penomecoをどうかよろしく ※5/12加筆 - デンプシーロール(改)

*8:私は足りない

*9:動画を貼り付けた、Show! Music Coreのジョシュア

*10:セブチ最年少、パフォーマンスチーム

*11:2月終わりにキノキットで発売されるので絶対に買ってください

*12:舞台を見ているような超濃厚なコンサートだった

*13:未音源化の新曲

*14:좀 다른 페노메코 | 얼루어 코리아 (Allure Korea)

*15:ダデュ単独コンサートではペノがゲストで登場し、完全体が披露された

*16:「映画一本撮ろう」がリリースされました - デンプシーロール(改)

*17:K-POP一年生が2017年に良く聞いた曲ピックアップ - デンプシーロール(改)

*18:Just U

*19:92年生まれ

*20:インスタライブ中に階段から落ちるアーカイブ動画を教えてもらったり…

*21:DEANの本名はクォンヒョクです

*22:年始に、おでこに謎の黒い丸がついているのを発見し怪訝な顔をするストーリーに大騒ぎした人が言うことではない